感染管理認定看護師の役割と資格取得方法

感染管理認定看護師資格が創設された当時は、院内感染が高い確率で起き、感染拡大の心配が尽きない時期でした。そのため、感染を予防し、継続的に管理しつつ、再発防止に取り組むサーベイランスが重要とされました。院内の状況の把握に基づき、最善策を考えたうえで感染防止のシステムを構築し、すべての職員に周知するのが、感染管理認定看護師の役割です。

責任ある役割を担う感染管理認定看護師になるには、一定の条件をクリアして、資格を取得することが必要です。感染管理認定看護師の条件は、日本の看護師免許を有しており、免許取得後に5年以上の実務経験が求められます。そして、そのうち通算3年以上は、感染管理に携わる活動実績を有していなければなりません。具体的には、最新の知見や院内のサーベイランスデータなどに基づいて、自身が中心的な役割を果たしケア改善を行ったなどの事例が1例以上あること、医療関連のサーベイランスに関して、計画から実行、評価まで担当した実績が1つ以上あることが望ましいとされます。加えて、現時点で、医療機関などで選任、または兼任で感染管理業務に携わっていると、なおよいようです。

実績がある看護師が、指定された教育機関が実施する入学試験に合格すると、6カ月以上にわたる教育課程を学ぶ機会が得られます。そして、教育課程を修了したのち、認定審査試験が行われます。試験は計40問、制限時間100分で行われますが、150点満点で105点以上の方が合格となります。例年の合格率は90パーセントとされているので、教育課程をしっかり学び、審査前に復習しておけば、さほど難しい試験ではないと考えることができます。